某ダムにて

回顧録〜永遠の初心者ライダーのエッセイ

 小さな頃から体育が何より苦手で、趣味は読書と映画鑑賞
 そんな超インドア派OLが、何を思ったか23歳でバイク免許を取得しました
 こちらでは、幾多の立ちゴケを経験しながらも 50ccスクーター、CB125T、
CBR250RR、ディグリー(250ccオフロード)、そしてスズキ・SV1000Sへとステップアップした管理人の、苦労と栄光の軌跡をご紹介しています

ある晴れた日に

 バイクレースの観戦をしている時に割とよくみかける事故のひとつとして、”ハイサイド”という現象がある。
 バイクがコーナリングして傾いているときに、突然傾いている方向とは別の方向にむかってぴょ〜んと跳ねて飛んでいく現象である。
 急激にサスペンションが沈み込みすぎた場合に、その反動で急激にバネが伸びきってしまい起きる現象…だった気がするが、詳しい理論はよく分からない。

 しかし、理論はともかくとして、現象そのものはちょっとだけ体験した。

 小型バイクの免許を取得して、CBR125Tを買ったばかりの頃。
 当時私は、バイク友達(現在の夫@TL1000R)の後を必死でついて回ってツーリングしていた。
 その日も、いつものごとく有休を使ってツーリングにでかけ、
 いつものごとく大荷物を積んでひーひー言い
 さらにいつものごとく峠道でアッサリ置いていかれながら、必死で疾走していた。

 それに遭遇したのは、とある長野の山奥、非常に素晴らしいワインディングを発見した時だった。
 そこがあまりに気持ちの良いコーナーだったので、気分はすっかり”ワタシ、実はバリ伝のミーちゃん?”になっており
 要するにすっかり調子に乗って舞い上がっていたので、いつになくアクセルをグイグイと開けた。
 そんなとき、足元で、なにかチャリチャリと音がしたのだ。
 何の音だろう?と、多少気にはなったものの、タイヤに小石でも挟まったのだろうと勝手に結論付け、さらにバイクを倒しこんでアクセル開け開けでコーナリングしていると、
 今度は”ガリガリガリ!”という派手な甲高い音が!

 ま、まさか!マフラーかステップが地面に当たった!!?
 と気が付いた瞬間、バイクがそれまでとは逆向きにビヨ〜ンと跳ねた。

 思わず対向車線へと飛び出し、人生を走馬灯のように振り返りながら遺言の文句を考えた。
 そのまま事故っていたら、遺書なんか何時書くのだろうという疑問も、そのときは浮かんでこなかった。
 動物的直感でとっさにアクセルを戻し、かつブレーキには手を触れなかったのが幸いしたのか、その後なんとかバイクからは振り落とされず、対向車線からも無事復帰することができた。
 でもしばらくはボーゼン自失
 もしかして…
 いまものすごく危なかったんじゃぁ…

 でもまぁ、自分では結構危ないと思っていても、周囲から見たらたいしたこと無いのかもしれない
 と気を取り直し、次の休憩場所で明るくTLの相方に話し掛けると
 ”いやー、すごかったねー。さっきの結構あぶなかったよね〜”と言われ、改めて顔面蒼白になった。
 もちろん、レースでみるようなすごいハイサイドではなくて、ちょっぴりびっくりする程度の可愛らしいハイサイドではあったが、初心者がチビるには十分な怖さだった。
 どんなに鈍亀なライディングでも、ハイサイドを起こすことはあるのである。

 どんなに鈍くさい初心者であっても、いやだからこそアクセルの開けすぎには注意が必要である(そういうことは、峠でいけすかないバイクが前方を走っているときだけにするべきである)。

 ちなみに、その経験によりアクセルの開け方が上品になった私は、いまでも相方のTLに置いていかれっぱなしである。

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